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多糖類の使い方

多糖類製品は主に粉末状態で販売されています。その用途は増粘、ゲル化、乳化安定、離水防止、懸濁安定、氷晶安定など
多岐にわたり、食品をはじめ化粧品等のパーソナルケア製品や工業薬品にも使用されています。
多糖類の使い方は使用目的によって少しずつ変わってきますが、ほとんどの場合に共通するポイントは「水に十分に溶解すること」です。

溶解とは

一般的に多糖類の溶解は

  1. 粉末の投入
  2. 膨潤(水和)
  3. 溶解

という過程を経て、多糖類の機能が十分に発揮されます。
各過程でどのようなことを意識すればよいのか、なぜその操作をするのか、各ポイントを理解することが、多糖類を使いこなすことにつながります。

多糖類の溶解

使い方のポイント

粉末の投入操作

多糖類粉末を溶媒へ投入する際に「ダマ」の形成を防ぐことがポイントです。
ダマは粉末が塊状のまま投入されることで、塊の外側にある多糖類だけが水を吸い、粉末を覆ってしまう現象です。
このダマを作らないようにするには、粉末ができるだけ塊状で投入されないこと、粘度発現する前に素早く均一に投入することが重要です。
具体的には以下のような工夫を加えることで、均一な投入が可能となるでしょう。

  • できるだけたくさんの水への溶解を試みる
  • 粉末を少しずつ投入する
  • 他の粉末(砂糖やデキストリン、食塩等)と混合してから投入する
  • 低い温度(室温以下)の溶媒に投入する
  • アルコールや油に粉末を分散させてから投入する

膨潤時の攪拌操作

溶媒中に投入された粉末は水を吸い、膨潤(水和)が進みますが、この時にポイントとなるのが攪拌です。
十分な攪拌を加えることで、絡み合った多糖類分子同士を物理的に引きはがし、水和を全体的に進行させます。
プロペラ攪拌機やホモミキサーなど、水を高速で攪拌して“渦”(乱流)を作ることができる機器を用いれば、“渦”の中で粉末がより均一に分散されて膨潤(水和)するため、効率よく溶解させることが可能となります。
粉末が水の中で分散されれば、その後の攪拌は液全体が流れる(混ざる)程度で十分です。

膨潤時の攪拌操作

溶解時の加熱操作

攪拌操作と同様に効率の良い溶解を可能にするため、熱をかけることも溶解時のポイントになります。
多糖類の中には、常温の水に溶解可能な多糖類もあれば、加熱を必要とする多糖類も存在します。
後者の場合は、加熱することで分子同士がほぐれ、溶解できるといったメカニズムになります。
一方で、熱を加えることは多糖類にとって溶けやすい条件となっているため、「ダマ」の形成には注意が必要です。
加熱を必要とする多糖類は常温の水に投入しても膨潤しないためダマはできにくいですが、常温の水に溶解する多糖類はダマができやすいため、ダマの形成を防ぐためにも、溶解時の加熱の必要性に関わらず室温以下の冷水へ粉末を投入した後に加熱することを推奨しています。
より詳細について知りたい方は使い方のポイント(詳細)をご覧ください。

使い方のポイント(詳細)

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