セルロースとは
セルロースは植物の主成分で、乾燥重量として植物の約40%を占めることから、地球上で最も多量に生産-蓄積されている生物資源(バイオマス)であり、年間生産量は1,000億トン以上と考えられています。また、植物由来のセルロース以外にもセルロースを生産する生物がおり、体内でセルロースを生成する動物としてホヤが挙げられ、酢酸菌の一種が作ったセルロースはナタデココとしてよく知られています。
セルロースは簡単に言ってしまえばβ-グルコースがグリコシド結合により直鎖状に重合した高分子です。セルロースは高強度な繊維状で、水には溶けませんが水により膨潤し、親油性がある他、化学的に比較的安定、生物分解性、生体安全性、光学活性を有するなど様々な特性が報告されています。今後の材料設計において、環境への低負荷、資源の有効利用という価値を導入する意味でも、セルロースは天然に存在する素材として、応用の範囲が広がる可能性を秘めていると言えます。